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創作男子学生ログ置場

こちらは創作男子学生の作品置き場となっております

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【公式イベント】雪山時々雪だるま【ログ】

12月16日から12月29日まで行われたイベントツイート企画のログです。
参加者の皆様お疲れ様でした。そして楽しい文章をありがとうございました!!
記事の続きから読めます。
いさ
講義も終わり、行きつけのカフェのドアをくぐると知った顔が3つ、テーブルを囲んでいた。その1つ、雪がぱっと顔をあげる。「そうだ!雪山にいこう!スキースノボするよ。ねっしのやん」急に話を振られたものだから思わず「うん……で、どうやっていくんだ?」と聞いていた。

すち
また始まった、こいつの提案はいつだって急だ。ため息をつきつつ、実は乗り気な自分が居た。今年はまだ雪山に行けてないから。「車で行けばいいよ~僕運転出来るし!」それはありがたくも中々ぶっそうな申し出だ。二人が俺を見る、そんな顔すんな。「高校生はどうする?」

こた
加賀谷さんに訊かれる前から答えは決まっていた。「行きたいです!」頭の中でスケジュールを計算する。大丈夫、期末試験には間に合うし、お金はお年玉がまだ残っている。「やったー!」せっちゃんが両手を上げる。「そうか」加賀谷さんが優しく笑って、カズの方を見た。

みり
俺も行くわ」ああいつも通りだ、なんて思いながら笑ってみる。エスカレーター式の高校だ、成績も大丈夫。両親からの援助も見込めるだろう。りゅーを除けば大学生のひとばかり、普通に生きてたら旅行なんて考えつかなかっただろうけど。「さすが雫田さんやなあ」楽しいひとだ。

くう
「それじゃ日程だけど……」ちーくんを中心に着々と予定や行き先が決まっていく。「いっそ1週間くらい行っちゃおうよ!」「せっちゃんそれは無理!」「さすがにそれは行けんわ!」高校生二人からストップがかかり、三連休に行くことになった。そして当日――

すち
「成る程、こんな予感はしてたぜ…」青く澄み渡った空、寒すぎない絶好のレジャー日和。少し張り切りすぎて30分前に到着した俺に続き、部活の朝練で慣れている葛、すっかりテンションの暖まってる龍司、半分寝てる永が集まってきた。そして20分後の、今「雪が、来ねえ…」

いさ
なんとかもぎ取った休みを利用しての遠出だというのに。夜勤明けのふわふわする思考を中断させたのは爆音の着信音だった。高校生二人の方がビクッと上がるのを尻目に出る。「あっしのや~んごめんね~珍しい服を着た人を追跡してたら遅れちゃった」「・・・いまどこ」「んっとー○○公園!」
(ここから歩いて20分かかんじゃねぇかよ!)「雪、そっから動くな」通話しながら千明さんが借りてきたくれたレンタカーのキーを回してメ○シャキを煽る。運転は2ヶ月ぶりだがいけるだろう。「全員乗って」アクセル全開、過去最高速で車は公園へと向かった。

みり
……正直篠嵜さんの車にはもう乗りたくない。いや緊急事態だったから仕方ないけど。「夜勤明けやって、言ってませんでしたっけ」「そうだけど。あいつ置いとくわけにもいかねぇだろ」酔わなかった自分が偉い。慣れてるのか加賀谷さんは冷静で、りゅーはまあ、楽しそうだった。

こた
目的地までのドライブは波乱万丈で楽しかった。適度に立ち寄ったサービスエリアでご当地リ○ックマを集めたり、せっちゃんが熱々のおでんを両手に持って篠さんを追いかけ回したり。すっかりグロッキーになった篠さんの代わりにせっちゃんがハンドルを握って、早くも次のサービスエリアで降ろされたり。腹筋が割れそうなくらい笑ったけれど、篠さんとカズは真っ青な顔をしていた。スピードを全く落とさずに車線変更を繰り返すのだから、それもそうだ。レースゲーで練習したテクニックを試すなんて理由で、命を失ったらたまらない。

くう
「もー!あとちょっとで自己ベスト超せたのにー」後部座席の真ん中でぶーたれてたら、運転席のしのやんにミラー越しに睨まれた。理不尽だ。助手席ではちーくんが地図を見ながらそろそろじゃないか?とナビして、後部座席では高校生二人から歓声があがる。「もうすぐ到着かな」

いさ
ゲレンデの景色に懐かしさを感じつつ、降り積もった雪にはしゃぐ高校生+22歳児を横目にボード貸し出しの受付を探す。「すっげー!雪だらけだぁ!」なんて嬉々として雪に突っ込んだ高校生たちの首根っこを掴んで引き上げる。「ボード、借りに行くんじゃねぇの?」

こた
「はぁい」永さんの手が離れてから髪についた雪を落とした。東京の雪とは違ってすぐに取れる。カズは眼鏡が濡れてしまったらしく、ポケットから眼鏡拭きを取り出している。「みんなスキーにするんですか? それとも、スノボ?」レンタルコーナーの列に並びながら問いかけた。

くう
「スキーかな!」右手をばっとあげて答える。そういえば本物のスキーはやったことないかも。あ、後で雪合戦とかしたいし、雪だるまも作れそ……「雪だるま作ってくるねー……ぐえ」フードが引っ張られる。犬のリードじゃないんだから!「かずらんー!ちーくんがいじめるー!」

みり
「すみませんが俺、年功序列には従うほうなんで」それに苛めるというよりじゃれてるようにしか見えませんよ、と、これは胸中にしまっておく。加賀谷さんはしれっと「ドイツ式の飼い方だ」。とはいえ雪だるまは作りたかったりするので、真白い粉にうずうずと視線を走らせた。

すち
「カズあれ!リフト!」「ほんま!たっかいな~」大人に従いつつそわそわしている二人が可愛い、リードは一本で済みそうだ。待ちに待った銀世界、テンションを上げるなという方が無理な話だろう。そういう自分も今すぐ飛び出したくて仕方ない。夕方までの自由行動が始まった。

くう
自由行動が始まり、簡単なレクチャーを受けてから早速リフトで頂上へ!初心者は下の方で練習してからという指導員の指示をふりきって、上級者コースへ向かった。 「やっふー!」ゲームで鍛えたスキーさばき?ですべり降りたのも数分、「わー!りゅー!どいてどいてー!!!」

こた→いさ
「ちょっ」目の前で雪と龍司の雪だるまができあがり。スノボは急に止まれない。自分でもびっくりするほどのカーブを描いて雪だるま回避、雪の壁に突っ込んだ。「わー永さん大丈夫ですか?もろに突っ込みましたやんなぁ」一人だけ余裕な葛の腕を思いっきり引っ張り倒した。

みり
篠嵜さんは容赦なかった。年下にも。「ちょっ、ぶは!」顔面から突っ込むと案の定冷たい。眼鏡がずれたせいでぼやける視界の中、見上げた彼に笑われたのが分かった。「な、っに笑っとるんですか!」不意をついて篠嵜さんも引っ張り倒す。その上で脇を擽りにかかった。

すち
「何やってんだあいつら…」一足先に滑り終えた俺はリフトから始終を目にした。雪だるまから復活した雫田と龍司は雪玉を投げ合い、それが取っ組み合いしている永達に当たり…。大の男が4人でわちゃわちゃしている様の可笑しさに笑いを堪えていたら、隣の女性に怪訝な顔をされた

くう
「はー、楽しかったー」雪合戦は参加しなかったちーくんの一人勝ちで終わった。「そろそろ何か食べませんか?」というりゅーの提案で、昼食をとりに一旦雪遊びを中断することに。「わわー!」食堂には身体を暖める料理が並び……「特大☆雪山かき氷……?」

みり
「……何やねんこれ」関西人の性で突っ込んでから周りを見渡す。「へえ。面白ぇなー」「挑戦してみっか?」「はいはーいじゃあボクが!」はしゃいだのはもちろん22歳児で、続いたのは最年少だった。駆けて行く2人を止める間はなく。「いや先料理やろ」呟いた俺はまともだ。

こた
美味しそうに湯気をたてる大盛りのカレーと、セットにできるミニきつねうどんをトレイに載せて席に戻った。隣を歩くせっちゃんのトレイには、予想よりもずっと大きなかき氷。あらゆる味のシロップがこれでもかとかけられて、レインボーカラーになっている。おまけに、カットフルーツと小豆に寒天までが随所に散りばめられていた。「なにこれ、こんなの初めて見た」「案外すげーな…食えんのか?」「これくらい大丈夫ー!」せっちゃんが頬を膨らます。僕は機材を持ってこなかったことを後悔した。「いっただっきまーす!」スプーンが、刺さる。

いさ
熱々のラーメンがあっという間に冷めていくようだった。「んーおいし!」虹色に輝く氷の山が着々踏破されていく。かと思いきや雪が固まった。「あ、頭痛…」やめろ、こっちを見るな、このくそ寒いのにかき氷なんて食べたくないんだ。結局五人全員でかき氷に挑むことになったとさ。

すち
半分ほどになった虹色の雪山は男5人の胃にも充分な難関だった。何だか店に入る前より身体が冷えた気がする。元気を取り戻した雫田は雪だるまを作ると意気込み高校生を伴って外へ出て行った。すぐ動き回りたくない俺は永と一緒に併設されている土産物屋をふらふらと廻っていた。

くう
お土産屋さんから出てこない二人は放っといて、雪だるま作成に向かう。「よーっし、一番おっきーの作るぞー!」「おー!」元気よくりゅーが右手をあげてくれる横で、かずらんがしゃがみこんで真剣に雪を見つめてる。「どうしたんですか?」りゅーも気になったようだ。

こた
「こんだけ雪あれば、三段雪だるま作れんかなぁ」早くも手元の雪をかたく丸めたカズがぽつりと言う。僕とせっちゃんは顔を見合わせて、にやっと笑った。「じゃあ、誰が一番大きい雪玉作れるか競争ね! よーい、スタート!」その声を合図に、僕たちは三方向に駆けだした。

みり
「作れたな」三段になった雪だるまというのは思ったよりも不気味で(顔、上半身、下半身)、持ち上げるのに苦労しただけに微妙な気持ちになった。が、それはそれ。雪遊びというのは元来テンションで乗りきるものなのだから。「おーやってんな?」悠々と篠嵜さんが歩いてくる。

いさ
歪な雪だるまの周りで顔を真っ赤にさせた高校生と22歳児。スノーマンってこんなバランスが悪かっただろうかと内心首をかしげつつ、葛の顔にホットココアをくっつける。「熱っ!」「それ飲んだら帰るぞー」千明さんも龍司と雪にココアを渡しつつ、残念がる二人を説得していた。

すち
上半身の異様に大きい雪だるまがココアをちびちびと飲む3人を見つめている。日の入りが近づいてきたようで、西に傾く光がゲレンデを眩しく照らす。名残惜しいのは俺だって同じだ。明日の用事が入らなければ予定通り泊まりで遊べたのに!なんて子供のように考えてしまう。それ程に楽しかった。「ちーくんは帰りなよ!終わったら戻って来てね!」と言う奴には拳で丁重にお断りしたが、本当にそうした方が良かったかもな。煙草に火をつけていると、いつの間にか龍司が側に来ていた。「また来ましょうね」念を押すように。同意の代わりに頭を撫でた。

こた
帰りの車の中は、静かだった。睡眠不足の永さんと、疲れたらしいカズは夢の中。せっちゃんはお土産で買った知恵の輪に夢中だ。僕も助手席でうとうとしてしまう。「眠いんだろ、寝てな」加賀谷さんが言う。「え、でも」「いいから」窓の外に広がる雪景色を見ながら、目を閉じる。

くう
バラバラにして、また繋ぎ直した知恵の輪を放り投げた頃には車内はすっかり静かになっていた。「あれ?皆寝ちゃったの?」「ああ。起こすなよ?」「もー!そういうこと言われると逆に起こしたくなるよ?」とか他愛のないことを囁きながら車は進んでいく。「……楽しかったな」「うん……そうだね」すやすや寝息をたててる三人を見渡す。その顔がとっても満足そうで……「……ありがとね」ぽそりと呟いたお礼は誰にも聞かれることなく車内に消えていった。
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